【要約】シンポジウム、今市事件は終わっていない
マインドマップ
今市事件は終わっていない
事件の概要と経過
2005年に栃木県日光市(旧今市市)で発生した女児誘拐殺人事件
- 2005年12月1日、小学校1年生の女児が下校途中に行方不明となり、翌2日早朝、茨城県内の山中で全裸の遺体となって発見された
- 遺体の頭髪には粘着テープが付着し、遺体の胸部には10カ所にわたる刺し傷があり、死因は刺し傷に基づく心臓損傷による失血死
- 2014年1月29日、勝又拓哉さんが商標法違反で逮捕されたことから事件が始まった
- 2014年6月24日、女児の殺人罪で起訴された
一審・宇都宮地裁の判断
客観証拠のみでは勝又さんを犯人と認定できない
- Nシステムの通行記録、猫の毛の鑑定、手紙などの証拠について、一定の証明力を認めつつも、犯人性を積極的に推認するには限界があると判断
- 自白の任意性と信用性を認め、自白と客観証拠を総合して勝又さんを有罪と認定
二審・東京高裁の経過と判断
訴因変更により原判決を破棄し、新たな訴因で有罪判決
- 控訴審で弁護団が自白の信用性と任意性を徹底的に争った
- 2018年1月、検察官が予備的訴因の追加を請求し、裁判所がこれを認めた
- 控訴審判決は、Nシステムの通行記録や手紙の証拠価値を重視し、勝又さんを有罪と認定
最高裁の判断を踏まえて
弁護団の上告が棄却され、勝又さんの有罪判決が確定
- 2020年3月、最高裁で上告棄却の決定がされ、弁護団の異議申立ても棄却された
- 勝又さんの無実を主張するためには、再審請求が必要な状況
再審に向けて、今何が必要か
証拠開示の徹底と新証拠の発掘が重要
- 一審の証拠開示が十分ではなかった可能性があり、控訴審で新たな証拠が出てきた
- 特に、ガムテープやミトコンドリアDNAなどの消極的証拠を活用した新証拠の発掘が必要
- 裁判所の事実認定の誤りを指摘し、再審開始に繋げることが重要
さいごに
勝又さんの無実を確信し、再審実現に向けた運動を強化
- 守る会では会員の拡大、学習会の開催、勝又さんへの手紙・激励運動などに取り組む
- 今市事件は終わっておらず、勝又さんの無実を証明し、再審を実現することが次の課題