自白の信用性
弁護団
- 林道で殺害したとの自白は虚偽。現場に大量の血痕がないなど状況があわない
- 「10回刺した、6〜7秒だった」との供述通りの殺害は不可能
検察
- 遺体に相当量の血が付くなど、自白と遺体や現場の状況に矛盾はない
- 遺体の状況から、鋭利な刃物で短時間で刺すことはできる
裁判所
- 殺害日時、場所は虚偽
- 犯人であることを認めた部分は信用できる
自白の任意性
弁護団
- 起訴勾留中に行われた殺人容疑の取り調べは違法
- 長期間に及ぶ身柄拘束があり任意性を欠く
検察
- 起訴勾留中の余罪取り調べは許容されている
- 取り調べは任意で行われ、違法性がないことは明白
裁判所
- 起訴勾留中に行われた殺人容疑の一部取り調べは違法
- 自白調書は違法な余罪取り調べで作成されたとは認められない
録音・録画映像
弁護団
- 一審は実質証拠として用いて犯罪事実を認定しており違法
検察
- 一審判決が事実認定した証拠は自白調書であり、録音・録画ではない
裁判所
- 一審判決で映像を用いて事実認定したことは違法
状況証拠
弁護団
- いずれの客観的事実を積み上げても勝又さんを犯人とは推認できない
- 手紙の記載内容だけでは殺人を自認しているとは言えない
検察
- 自白を除いても、母親への手紙などの客観的事実から犯人性を認定できる
- 母親に宛てた手紙は殺人を謝罪していると読み取れる
裁判所
- 間接事実を総合すれば、犯人だと認められる
- 実母にあてた手紙の内容は殺人を謝罪したいと考えて作成した