第7回総会 2023年10月22日(日)

第7回総会 2023年10月22日(日)

感想

再審法の不備を学びました!

今回の総会の目玉は、鴨志田祐美弁護士による再審法の学習でした。えん罪をなくす!拓哉さんを救い出すためにも、再審法を一刻も早く改正しなければならない。再審のルールを整えなければならない。そのためにも、再審法を私たちが学習しなければならないと思い、今回は再審法改正の最先端の弁護士をお招きし、再審法の不備、なぜ改正が必要なのか詳しく学びました。


特別公演 鴨志田祐美弁護士

えん罪事件はなぜ起こるのか

前半は、大崎事件を見返すことでえん罪事件に共通する様々な原因というものを感じ取っていただきたい。後半では、そこから再審に進んで、再審の戦いで直面した様々な理不尽というところから再審法の不備、再審法改正の必要性を感じ取って欲しい。

大崎事件とは?

1979年10月15日、鹿児島県大崎町で原口アヤ子さんの義弟・四郎が自宅横の牛小屋の堆肥の中から遺体で発見された事件。

  • 捜査機関は遺体発見直後から「殺人事件」と断定、四郎の長兄の一郎と二郎を任意で取り調べたところ、両名が殺人・死体遺棄を自白して逮捕。
  • 捜査機関は、アヤ子さんが四郎に生命保険をかけていた事実を突き止め「近親者による保険金目的殺人事件」との見立てで一郎、二郎を追及。一郎、遅れて二郎もアヤ子の関与を認め、さらに死体遺棄については二郎の息子の太郎の関与も認める。
  • 一郎、二郎、太郎は公判でも争わず、有罪判決に控訴もせず、ただちに服役(一郎は懲役8年、二郎は懲役7年、太郎は懲役1年)。
  • アヤ子さんは一貫して犯行を否認したが、1980年3月31日、懲役10年の有罪判決。控訴・上告も棄却され、アヤ子さんは満期服役。

大崎事件の冤罪原因

  1. 捜査機関の思い込みに沿った捜査と証拠収集
    • 遺体発見直後から警察は「殺人・死体遺棄事件」として捜査開始、「親族による保険金目的の殺人」という筋書き
  2. 危うい「共犯者の自白」
    • 「共犯者」3名の自白が直接証拠。「共犯者」らはいずれも知的障がいを抱えた「供述弱者」
  3. 見落とされたI、T供述の重要性
    • 「生きている四郎を土間に置いて退出した」というI、Tの供述が「アヤ子らによる殺人・死体遺棄」という犯行ストーリ―の大前提。
  4. ジャンク・サイエンス(ずさんな「科学的」証拠)
    • 自白以外の決め手となる証拠、解剖に要した時間はわずか1時間10分、城教授は解剖時に四郎の転落事故を知らされていなかった、死因は窒息死ではなく事故死の可能性と自らの鑑定を訂正
    •  

家族(拓哉さんの弟)からの訴え

2014年当時、突然兄が商標法違反で逮捕され、母の巻き添えで逮捕されたんだと初めは軽く考えていました。しかし、日を追うごとに深刻になっていき、私が家族の中で最初に兄が殺人犯であると警察から知らされました。しかし、私は兄が犯人だとは思うことができませんでした。一方で日本の警察が間違うはずがないという日本の警察に対する根拠のない信頼もあり、複雑な心中で日々を過ごし、そして、裁判が始まり、色々なことが明らかになるにつれ、えん罪であることがわかり、母からも裁判の状況などを詳しく聞くうちに、兄は無実であると、確信することができました。そして、2006年に兄と今市事件について話した様子、怯える様子もなく、飄々としていた記憶があり、やはり自分は間違っていなかった、兄は無実だと確信することができました。